2 診療体制
 中等症以上の心疾患の女性は,妊娠・分娩の際に循環器系の合併症を伴うか,早期産児や低出生体重児,先天性心疾患児を出産することが少なくない.これらの点からも,チーム診療(multidisciplinary approach)が必要なことは明らかである.しかしながら,産科医,循環器を専門とする医師(循環器内科医,循環器小児科医,成人先天性心疾患を専門とする医師,心臓血管外科医など),麻酔科医,新生児科医,看護師,臨床心理士など,すべての分野のスペシャリストと必要な設備を備えた心疾患女性の妊娠に習熟したチームはいまだに少ない.必要に応じて,母体搬送や新生児搬送を行うなど,周産期センターとの密接な共同治療も,今後さらに検討すべき課題である.日本の現状において,どのような体制をどのように構築していくかも,今後の大きな課題である.
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心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)