1 カウンセリング(Prepregnancy Counseling)
 心疾患女性(男性も含む)が,結婚,妊娠,出産時期を迎える場合に,専門的知識を持った医療関係者からのカウンセリングが必要である.しかし,適切なカウンセ
リングを行うためには,多くの分野でデータが不足している.例えば,心疾患が妊娠・出産に与える影響,胎児に与える影響,妊娠・出産が心疾患の予後に与える影
響などに関するデータは不十分である.母体および胎児の妊娠・分娩時の管理や治療に関しても,データに基づいた明らかな基準がない.さらに,誰がどのような場所でカウンセリングを行うか,遺伝に関するカウンセリングをどのように行うかなどは,今後の実際の臨床で広く行えるように確立しなければならない問題である.また,
カウンセリングと同時に,心理的なサポートも非常に重要であるが,この面での研究は始まったばかりである.
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心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)