3 麻酔前評価
心疾患合併妊婦においても,産科的適応により妊娠正期前に緊急帝王切開術を必要とする場合があるため,十分早い週数に麻酔科医によるコンサルテーションを受けることが望ましい.その際には,心疾患の病態と治療経過,妊娠中の状態変化と現在の心機能,手術・麻酔歴とその問題点,産科的経過と分娩方針について,循環器担当医や産科医から十分な情報を得る.
特に妊娠・出産におけるリスクが高いと考えられる先天性心疾患の場合は,現在の循環動態と,周産期における循環動態管理目標とその許容範囲について,担当医より助言を得る必要がある.それらに基づき,経腟分娩,予定帝王切開,緊急帝王切開のそれぞれについて,麻酔と周術期管理の計画を立て,患者に説明する.
心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)