1 分娩時の循環病態
 心疾患合併妊婦において,分娩は最も循環動態が変化するときであり,生命への危険が及ぶ可能性を念頭に,慎重に管理を行う必要がある.分娩が開始されると,心拍出量は陣痛開始前と比べて13%増加するといわれ,子宮収縮時にはさらに34%増加し,総計約50%は増加するといわれている356).また,分娩中は心拍出量の変化を減少させるために,左側臥位をとることが推奨されている357).これは,仰臥位低血圧症候群を予防するためにも有用である.

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心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)