1 避妊を指導する時期
妊娠経過観察中に,その妊娠終了後のさらなる妊娠が望ましくないことが明らかである場合,分娩直後や帝王切開時は,卵管結紮を行いやすい環境なので,産科医と循環器担当医から本人・家族に対して,卵管結紮に関する十分な術前説明と同意を得ておくことが望ましい.妊娠継続が不可能なために,人工妊娠中絶術を施行する場合も,同様に卵管結紮術を施行することが可能である.
妊娠・出産後の経過観察中に心機能の悪化がみられ,次回の妊娠をすすめられなくなった場合は,初回妊娠前の評価と同様に,主として循環器担当医の判断で避妊の指導が開始される.このとき,個々の状況に即した最適な避妊法について,産科医と循環器担当医による検討と説明がなされ,患者の納得の下に最良の方法が選択される.
心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)