1 概要
 妊娠可能年齢の女性における虚血性心疾患の頻度は低く,周産期の急性心筋梗塞発症は極めて稀(1/1万分娩)ではあるが,ライフスタイルの欧米化や妊婦の高齢化により,今後増加することが予想されている58),320),321).50歳未満の女性における虚血性心疾患の危険因子は,喫煙,高血圧,高コレステロール血症,低HDL血症,糖尿病,家族歴,妊娠高血圧症候群,経口避妊薬内服の既往である322),323).特に,喫煙あるいは高血圧と経口避妊薬内服既往の重複は,周産期急性心筋梗塞発症の最も重大な危険因子である324)
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心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)