2 母体投与薬物の母乳への移行と新生児への影響
 母乳栄養の利点は確立され,授乳中に禁忌となる(あるいは,授乳中は服用を中止すべきとされる)薬物はほとんどない.多くの薬物において,母乳中への薬物移
行はわずかであるため,母乳栄養の新生児の薬物血中濃度は,治療域よりはるかに低いのが通常である.しかし,授乳中の薬物の新生児や乳児に与える影響については,十分なデータがない.また,新生児の薬物代謝は遅延しており,蓄積効果により血中濃度が上昇する可能性があるため,半減期の長い薬物などには注意が必要である147),149)
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心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)