3 超音波ドプラ血流計測
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 ドプラ血流計測による胎児血流動態の評価法は,周産期領域では,超音波入射角による補正を必要としないインデックスを用いた波形分析が行われている.代表
的なインデックスとして,S/D ratio,Resistance index,Pulsatility indexが知られているが,どのインデックスにも優劣はなく,いずれも末梢血管床の血管抵抗を代表するとされる.すなわち,血管抵抗が増大すれば拡張末期の血流が流れにくくなり,これらの値が増大する.拡張期血流の途絶や逆流が観察される場合には,予後不良な周産期事象が多くみられる.波形分析において考慮すべき因子に,胎児心拍数や呼吸様運動をはじめとするbiophysical activityや測定部位などが挙げられる.
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心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)