4 胎児管理(Fetal Assessment)
母体の心疾患が胎児に及ぼす影響や,母体投与薬物の胎児への影響などに関する,基礎的・臨床的な研究の蓄積が期待される.胎児超音波検査などによる,胎児発育の評価,胎児のwell-beingの診断,胎児臓器の形態機能診断などは,今後さらに精度が高まることが予想される.胎児モニタリングの精度が高まることにより,適正な分娩管理が可能となり,母児の周産期予後の向上が期待できる.心疾患女性の妊娠では,心臓をはじめとする胎児先天異常の合併が多いが,胎児治療に関する研究は,安全性や倫理面の問題などクリアすべき点がなお多い.
心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
Guidelines for Indication and Management of Pregnancy and Delivery in Women with Heart Disease (JCS 2010)